FXのインジケータのひとつにモメンタムというあまり聞きなれないものがあります。MT4などではMomentumと表記されています。日本語に直訳すると勢いや弾みを表わす言葉で、今現在のレートの勢いを数値化したものです。
レートは上下動を繰り返しながら、トレンドを形成しています。山や谷が切り上がっていれば上昇トレンド、下がっていれば下降トレンド。
モメンタムはそのトレンドの勢いを表わしており、モメンタムが上昇していれば、レートに勢いがあり、下降していれば勢いがなく下落していることを意味します。
モメンタムのラインが急に上昇しているということは、トレンドの勢いが非常に強いということになります。このことから、モメンタムはトレンドの勢いを視覚的にとらえやすいと言えます。
では、モメンタムの値はどのように計算されるのかというと、当日の終値をN日前の終値の差を求めた値です。
N日前は9から14日と定義されることが多いです。のちに紹介するMT4では、デフォルトの状態で14と設定されています。
モメンタム=当日の終値-N日前の終値
モメンタムがプラスの場合は上昇トレンドの可能性があり、マイナスの場合は下降トレンドの可能性があると判断されます。
また、他のテクニカル指標(例えばRSIなど)と異なり、最大値や最小値がないため、買われ過ぎや売られ過ぎを判断する指標には弱いインジケータです。
[st_toc]モメンタムのMT4への設定方法
ここではMT4でのモメンタムの設定方法を記載します。
モメンタムは、挿入→インディケータ→オシレータ→Momentumをクリックします。
すると、以下のような画面が表示されます。
今回は、パラメータはとりあえずデフォルトのままでOKを押してみましょう。
すると、画面下部のサブウィンドウにローソク足と似たような線のモメンタムが表示されます。
今回の図ではモメンタムの値が100.0204と表示されています。MT4ではモメンタムの表示方法が他のチャートは少し異なります。
前項ではゼロをベースにして上昇トレンドや下降トレンドを判断すると記載しましたが、MT4の場合は100を基準として100を超えたら上昇トレンド、100を下回ると下降トレンドという風にとらえることができます。
モメンタムのパラメータの意味
モメンタムを設定する際のパラメータは特に難しい箇所はありません。
設定に必要な個所は、期間の部分(①)です。これはローソク足で何個前とのレートと今のレートを比較するかを設定するもので、よく使用されるのは10、14、20くらいです。
あとは表示させるモメンタムの色(②)や線の種類(③)、太さ(④)を決めていきます。
モメンタムのサブウインドウの中にレベルを表示させることが可能です。パラメータタブ横にあるレベル表示をクリックし、追加のボタンをクリックすると、下記のような画面が表示されます。
モメンタムは100を基準としてトレンドの強弱を判断することが多いため、ここでは100と入力してOKを押してみます。
すると、下記のように100のところにラインが入ります。
モメンタムの使い方
モメンタムの使い方ですが、100のレベルを中心としてどの位置にあるかによって、トレンド状態を知ることができます。100以上であれば上昇傾向、100以下であれば下降傾向といった感じです。
そのため、100との交点が重要となり、下から100を抜いてきた付近で上昇トレンドへの転換、逆に100を下回ったところで下降トレンドへの転換といった感じになります。
また、100よりも常に上の状態は上昇トレンドをキープしているということも言えます。しかしながら、上の図を見ると、100との交点が頻繁に起こっている場合もあります。では、下の図はどうでしょう。
100との交点の数が減って、モメンタムもスムーズになっていませんか?これは、表示させる時間軸を5分足から日足へ変えた結果です。
トレンドは時間軸を長くすれば長くするほどわかりやすいと言われています。そのため、1分足や5分足の短期トレードで使用するよりも、よりトレンドが継続しやすい4時間足や日足などの長期足のほうがモメンタムとの相性がいいのではないでしょうか?
さらに、モメンタムはトレンドの勢いを視覚的にわかりやすく表現しています。つまり、モメンタムのラインが急であればあるほど、トレンドに勢いがあるということになります。
したがって、100のラインを急勾配で抜けてきた場合などは、かなりの上昇が期待できると考えられます。
モメンタムを使った手法
モメンタムの手法として、もっとも簡単なものは中心である100を抜けた抜けていないでエントリーする方法です。
例えば、100以下であったモメンタムが100を超えたタイミングで買い、売りは100以上のところから100を割ったところでエントリーする方法です。
わかりやすいように、上記の図にエントリー箇所を追加してみました。
これと順張りの手法を組み合わせることで、より勝率があがります。
例えば、1時間足でモメンタムが100以上である状態で、5分足で100以下から100を超えたときに買いでエントリーを行うことです。
短い足は上位足になぞられるという性質をプラスした手法です。5分足と1時間足、4時間足と日足などは相性がよいとされています。
ここでは、もうひとつモメンタムを使った手法を紹介していきます。オシレーター系のテクニカル指標でよく使われるダイバージェンスを使った手法です。
モメンタムで表された値(100など)は最大値や最小値がないため、買われ過ぎや売られ過ぎがわかりにくいです。それらをダイバージェンスというやり方で、買われ過ぎ・売られ過ぎを判断する方法です。
ダイバージェンスとは、一言で言い表せば逆行現象のことです。つまり、レートは上昇しているのにオシレーター系の指標は下降しているといった現象のことです。
これらはトレンドの終わりに出現することが多いことから、トレンドの転換が近いとされています。
例えば、下の図をご覧ください。
レートは高値を更新して上昇しています(オレンジ色のライン)が、下のサブウィンドウにあるモメンタムは山を切り下げている状態(赤色のライン)です。
その後のチャートは、右側のように下落トレンドへと転換しています。モメンタムでダイバージェンスを確認したら、モメンタムの方向でエントリーします。
例えば、モメンタムが切り下げているようであればショート、切り上げているようであればロングといった感じです。損切は直近の山や谷に置きます。
実際にレートを確認すると、このダイバージェンスはあまり出現しません。しかしながら、このダイバージェンスだけを過信してしまうと、トレンドが非常に強い時などは、トレンド転換がないままダマしにあい、損切という形になってしまいます。
そのため、上位足を確認して、サポート・レジスタンスが付近にあることなどを確認してエントリーすることで、より精度の高いエントリーが可能になります。
まとめ
モメンタムは数日前のレートと今のレートを比較して、プラスであれば上昇、マイナスであれば下降といった単純でわかりやすい指標です。
しかしながら、実施のレートはそんなに単純ではありません。特に短い足(5分足など)では、モメンタムが中心(MT4であれば100)を挟んで上下に振れる場面が多く見られます。
したがって、複数の時間足や他のテクニカル指標を同時に使うことで、より精度が上がるので、自分でいろいろと検証してみましょう。
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